グラフィック性能を強化する

自作パソコンやBTOパソコンでは、グラフィックボードが故障した場合、あるいはマルチディスプレイ・動画編集・3Dゲームなど、スペックを上げるためにグラフィックボードを交換・増設することがあります。

グラフィックカードの交換や増設は、特別に難しいということはありませんが、いくつか注意しておいたほうがいい点があります。

このページでは、グラフィックボードの取り付け・交換の方法や、グラフィックボードの選び方について解説しています。

準備と確認

ドライバ

新たに取り付ける場合は関係ありませんが、交換する場合はパソコンが起動している状態で、もともとインストールされているドライバを削除します。

削除はプログラムの追加と削除から行います。NVIDIAやAMDから始まるものがアンインストール対象となります。

ただ近年のドライバは、インストール時に自動で古いドライバを検知し、削除して最新のドライバをインストールするため、必ずしも必須というわけではありません。

グラフィックボード

グラフィックボードによって、大きさや補助電源の有無が異なります。

例えば高性能なグラフィックボードは長さがあり、大きいためケースに収まらないということもあります。

また、電源ユニットに補助電源が1つしかないのに、補助電源が2つ必要なグラフィックボードを付けることはできません。

グラフィックボードは、ハイエンドなものになると電力の消費も大きいため、電源ユニットの出力数が足りなくなるということもあります。

ケースに入る大きさであるかどうか?電源供給に問題ないか?の確認は必要です。

スロット

グラフィックボードは、PCI-Express×16のスロットに増設します。

他の拡張スロットにはないものの、PCI-Expressx16にだけあるものとしてグラフィックボードを固定する爪があります。

すべてのメーカーのマザーボードに必ずこの爪があるというわけではなく、スライドタイプのような簡単なものもあります。いずれにせよグラフィックボードの取り外し・取り付けではこの爪の存在を忘れないことが大切です。

取り付け

新たに取り付ける場合から解説しています。

まずサイドパネルをあけて内部にアクセスできるようにします。

サイドパネルを開ける

パソコンを横にして主電源はOFFにします。○印がOFF。電源ケーブルを抜いておくと無難です。ケースに傷が付くこともあるため、何か布製のものを敷いておきます。

電源をOFFにする

増設する場所を確認します。グラフィックボードは、PCI-Express×16のスロットです。切り欠けは左の方にあります。スロットの色はマザーボードによって異なります。

PCI-Express×16のスロットが2つある場合は、上にある方・CPUに近い方を優先して使用します。スロットの右端に爪があることを確認しておきます。

増設場所

スロットカバーは、各拡張スロットにそれぞれ付いていることが分かります。

グラフィックボードにもよりますが、スロットカバーを2つ外す場合と1つだけ外す場合とがあります。

PCIスロットカバー

スロットカバーを取り外します。PCケースによってネジで固定されている場合やラッチやカバーで固定されている場合があります。

PCIスロットカバーの取り外し

増設する補助電源なしのグラフィックボード。

増設するグラフィックボード

グラフィックボードを取り付けます。高さが合っていることと、グラフィックボードの端子部分がしっかりスロットに入っていることを確認します。

取り付ける

インチネジで固定します。PCケースによっては、ラッチやカバーが付いていたりするので、ネジを使用しないこともあります。

また、グラフィックボードに補助電源が必要な場合は、補助電源を接続します。

固定する

ケース背面。HDMI端子などがスロット部分で干渉することもあります。その場合、グラフィックボードを固定しているネジを少し緩めて微調整を行います。

ケース背面

今までマザーボードの端子に付いていた液晶ケーブルを、グラフィックボードに接続します。VGAやDVI、HDMIになります。

液晶ケーブル

電源をONにして起動させます。ドライバーがインストールされていないので、解像度は低くなることもあります。

起動させる

起動したら、添付しているディスクをセットします。解像度が低くなって見づらくなっていることもありますが、基本的に解像度はまだ扱いません。

添付CDをセットする

ドライバーやユーティリティソフトをインストールします。

ドライバーのインストール

メッセージに従い再起動させます。

再起動させる

起動したらディスプレイに最適な解像度に調整します。

解像度の調整

グラフィックボードの増設では、添付のディスクを使わずに最新のドライバーとユーティリティをメーカーサイトからダウンロードして、増設後にインストールするという方法もあります。

中古のグラフィックボードでは、ディスクが付属していない、ディスクが付いていてもドライバーが古いということもあります。こういう場合は、メーカーサイトからダウンロードしてインストールします。

交換

次にグラフィックボードの交換を解説します。

プログラムの追加と削除から、もともと付いていたGeForceやAMD Radeonのグラフィックボードのドライバや付属ソフトなどを削除します。

ただ前述のとおり、近年のドライバは、古いドライバやソフトを自動で検知して削除・更新するため、必ずしも削除するというわけではありません。削除する場合は、削除後にパソコンを再起動させます。

プログラムの追加と削除

パソコンの電源OFF、電源ケーブルは外しておきます。ケースを開けて、もともと付いているグラフィックボードを外します。

外すときは固定しているネジや繋がっている電源ケーブルを抜き、最後にマザーボードのスロットから取り外します。この時、マザーボードによってはスロットの右端に、爪がかかってことがあるので、よく確認するようにします。

グラフィックボード

グラフィックボードを取り外した様子です。

取り外した様子

上が取り外したグラフィックボード、下が交換する新しいグラフィックボードです。

交換するグラフィックボード

新しいグラフィックボードをマザボードのスロットに取り付けます。補助電源付きのものは、電源ユニットの電源ケーブルも接続するようにします。

取り付け

パソコンに、電源ケーブル、ディスプレイケーブルを接続し、電源を入れパソコンを起動します。

起動

起動させるとパソコンの画面は低い解像度で表示されることもあります。

低い解像度

グラフィックボードのドライバをインストールします。

ドライバー

再起動を求められたら、パソコンを再起動します。

インストール

ドライバをインストール後、パソコンを再起動させると自動的にパソコンの解像度が適切になることもあります。

ディスプレイアダプタ

グラフィックドライバーが正しくインストールされているかどうかは、デバイスマネージャーのディスプレイアダプタを確認します。

スロットの爪

マザーボードのメーカーによってグラフィックボードを固定する爪の形状は異なります。付いていない場合もあります。

ASUSのマザーボード取り外しの際にレバーを下げることで、グラフィックボードを固定している爪が外れます。

こうした爪がある場合は、取り付けの際も少しレバーを押し下げたほうが、装着しやすくなっています。


爪上記の凸部分がグラフィックボードにかかっていることが分かります。


スライド式スライド式の爪。最近のマザーボードでよく見かけるタイプです。


ロックがかかる装着するとロックがかかるようになっています。


スライドして解除取り外す時は スライドして解除します。


このようにロックがかかっていることがあるため、解除せずにグラフィックボードを取り外そうとすると、スロットやグラフィックボードが破損する可能性があります。

グラフィックボード

グラフィックボードを選ぶ際に配慮しなければならない点は、物理的な問題と電源ユニットになります。

物理的な問題というのは、スロットの空きやケース内の空間の幅です。拡張スロットに他のパーツが付いていないか?グラフィックボードの長さがケース空間内に収まるか?という点になります。

例えば、2スロット占有のグラフィックボードは、PCI-E×16の下のスロットは基本的に使えなくなります。またMicroATXのミニタワーのケースに、GPUやファンを2つ搭載した長いグラフィックボードは収まらないこともあります。

電源ユニットに関しては、グラフィックボードの補助電源と出力数になります。

グラフィックボードは、性能が高くなるにつれて補助電源が必要となります。補助電源には、6pin×1、6pin×2、8pin×1、8pin×2などがあり、電源ユニットから取ることになります。

ミドルレンジのものは、6pin×1がほとんどで、ハイエンドのものが6pin×2や8pin×2になってきます。

グラフィックボードの6pin×1ミドルレンジのグラフィックボードの6pin×1の補助電源。


電源ユニットの6pin×1電源ユニットの6pin×1の補助電源。


電源ユニットの8pin×2電源ユニットの8pin×2。8pinは6pin+2pinの構成になっており、6pinで使用することも8pinとして使用することもできます。


取り付けようとしているグラフィックボードに対応した電源コネクターが、電源ユニットに付いているのかどうか、6pin×1や8pin×2で接続できるか、を確認しておく必要があります。

また目安として、グラフィックボードを搭載した場合の必要な電源ユニットの出力数は以下のようになります。

  • ローエンド・・・350w~450w
  • ミドルレンジ・・・400w~550w
  • ハイエンド・・・550w~750w

電源ケーブルを必要としない、消費電力がそれほど大きくないローエンドやミドルレンジのグラフィックボードでは、それほど問題ではありませんが、補助電源を必要とするミドルレンジ、ハイエンドのグラフィックボードでは、電源が不足するということもあります。

例えば、非常に長く使っている電源、80PLUS認証ではない電源、出力が低い電源などは、グラフィックボードを取り付けたとして安定して動作するのかどうか?という問題があります。

このように、グラフィックボードを選ぶ際は、事前にケース内に増設可能であるかどうか、現在の電源ユニットのケーブルや出力数を確認する必要があります。必要であれば、電源ユニットの交換も検討することになります。

また使用しているディスプレイが、HDMIやDVIなど どのインターフェースに対応しているかも知っておいたほうがよいといえます。

グラフィックボードは、基本的に NVIDIA GeForceかAMD Radeonのどちらかの選択になります。またそれぞれシリーズや型番などが複数あります。CPUと同じように、性能と価格がほぼ相関していることで知られています。

商品説明などには基本的な性能、大きさ、スロットの専有、補助電源、HDMIやDVIなどインターフェースの種類が記載されています。

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    UEFI

    近年のマザーボードは、BIOSからUEFIに移行しています。

    例えば、UEFIのマザーボードに、やや古いグラフィックボード、中古のグラフィックボードを取り付けたときに、CSMが無効となっている場合、画面にメッセージが表示されたり、UEFIの画面に自動的に入ることがあります。あるいは画面に何も表示されないということも考えられます。これは、CSM無効ではUEFIに対応していないグラフィックボードは使えないということです。

    UEFIの機能であるCSMは、BIOSで動作していたデバイスに互換性を持たせて使えるようにする機能です。したがって基本的な互換性はあるといえます。

    この点を知っておかないと、実際には単にUEFIのCSMの設定の問題であるものの、グラフィックボードの相性やトラブル、初期不良と誤認することもあります。

    マザーボードとグラフィックボードの世代が大きく異なる場合は、CSMの設定や互換性の問題が生じる可能性があります。UEFIへの移行期である、Intel 6シリーズのチップセット搭載のマザーボードなどでは、互換性に問題がある、BIOSアップデートが必要であるという指摘もあります。

    世代間が大きい場合は特に、使用しているマザーボードとグラフィックボードの使用例などを検索して調べるという方法もあります。

    いずれにせよ自分のパソコン、マザーボードがUEFIなのかどうか?OSはUEFIブートかBIOSブートか?CSMは有効か無効か?は、ハードウェアの増設や変更を行う場合には知っておいたほうよい項目です。