コンピューターで使われる演算子
演算子とは、足し算や掛け算などの計算や値の大小を比較する際に使われる記号のことです。
コンピューターやソフトウェアで用いられる演算子には、算術演算子、比較演算子、論理演算子などがあります。
身近なところでは 検索エンジンやExcelがあります。検索エンジンでは、検索窓に直接 計算式を入力すれば、解答を得ることができるようになっています。
このページでは、様々な演算子とその意味について解説しています。
算術演算子
足し算、引き算、掛け算、割り算などで使われる演算子を 算術演算子といいます。演算子はすべて半角で入力します。
- 加算・・・ +
- 減算・・・ -
- 乗算・・・ * (アスタリスク)
- 除算・・・ / (スラッシュ)
- 累乗・・・ ^ (キャレット)
- 剰余・・・ % (パーセント)
- 階乗・・・ ! (エクスクラメーションマーク )
最も使われるのは、加算、減算、乗算、除算の四則演算です。これらの記号は、キーボードのEnterキーの左側付近にあります。またテンキーにも、この4つの記号は付いています。
Enterキーの左にある 四則演算のキー。
= と -は同じ場所にあります。
テンキーにある四則演算のキー。
キーボード上段、右から ^ % !。
累乗は 25、56などの計算で 2^5、階乗は 6×5×4×3×2×1のような計算で 6!と表します。
剰余は余りを求める計算で モジュロ演算といいます。例えば、18を5で割ると余りは3です。18%5と表します。一般的に使われることはありませんが、プログラミングやセキュリティ関連の技術でしばしば出てくることがあります。
検索エンジン(例:Google)では、数値と算術演算子を入力すれば、計算結果が返ってきます。四則演算の他、累乗、剰余、階乗の計算も行うことができます。ただ入力する数値や計算結果の桁数が大きくなる場合は、ある程度の数値までの計算になります。
Excelでは、セル内に =5+10、=2*3、=25/5、=2^5 のように = から入力します。Enterキーで計算結果が表示されます。四則演算と累乗の計算を行うことができます。
剰余と階乗は それぞれMOD関数、FACT関数として用意されているため、18%5は =MOD(18,5)、6!は =FACT(6) のように入力します。%は モジュロ演算ではなく パーセントを求める計算で使います。例えば、=100*20%、=100*110%のように乗算の演算子を挟んで入力します。
比較演算子
イコール、大なり、小なりなど比較するときに使われる演算子を、比較演算子といいます。Excelでは関数で使います。
- 等しい・・・ =
- 等しくない・・・ <>
- 大きい、小さい・・・ >、<
- 以上、以下・・・ >=、<=
プログラミング言語では = は代入の意味を示すことで知られています。イコールの意味では == や ===、等しくないという意味では !=が使われることがあります。
論理演算子
論理演算とは、命題の真・偽という2つの値を使って行う演算のこと。真・偽はTRUE・FALSEともいいます。
命題というのは、ひとつの文や式で真・偽が判定できるものをいいまます。例えば 比較演算子で A>=75、B=80にように表すと、Aが75以上であれば真、それ以外は偽、Bが80であれば真、それ以外は偽となります。真・偽というのは 成立・不成立、正解・不正解という言葉で言い換えることもできます。
論理演算は、Excel、プログラミング、データベースなどで使われます。
- 論理積・・・ AND、∧、&&
- 論理和・・・ OR、∨、||
- 論理否定・・・NOT、!
一般的に ExcelやデータベースでAND、OR、NOT、プログラミングで &&、||、!などが使われます。論理演算の概念は ベン図を使って説明されます。
論理積 AND。A かつ Bであるもの。数学では A∩B、積集合。
論理和 OR。A または Bであるもの。数学では A∪B、和集合。
論理否定 NOT。Aではないもの。数学では 補集合。
Excelでは、AND関数やOR関数が用意されており 他の関数と組み合わせて使用することがあります。
AとBは、真・偽の2つの値をとりますが、ANDはA・Bともに真のときに結果が出力されます。ORはA・Bどちらかが真、あるいは両方 真であるときに結果が出力されます。NOTは、Aが真であれば Aは否定となり偽、AとBが真であれば AとBは否定となり偽となります。
このようなAとBの真・偽に対応した出力をまとめたものは、真理値表といいます。
またAND・ORは、NOTを使うことによって等式が成り立つことが知られており、これをド・モルガンの法則といいます。
真理値表
真理値表は、論理演算の入力と出力をまとめたものです。
論理演算の真・偽は、半導体の回路で1と0の2値に対応させることができます。これが、CPUの基本回路を形成し 演算やデジタルデータの処理へと繋がっていきます。
論理積。入力2つがともに1の時に出力1。出力を反転させたものを NOT(AND)、NANDといい上から1110となります。
論理和。入力のいずれか、あるいは両方とも1の時に出力1。出力を反転させたものを NOT(OR)、NORといい上から1000になります。
否定。入力を反転させたものが出力となります。この回路のことをインバータといいます。ANDやORの出力を反転させて、NANDやNORにすることができます。
XOR 排他的論理和。入力が両方同じ場合は0、異なる場合は1を出力します。この回路(出力)はAND・OR・NOTの組み合わせで実現することができます。
実際の電子回路では、1はON、電圧高、0はOFF、電圧低などのようになり、半導体の性質や技術的な面からNAND、NOR、NOTが基本的な回路として使われています。