臨機応変に対応する
さて実際にパソコンの掃除・クリーニングを行うわけですが、クリーニング前の注意点でも解説しましたように、パソコンは精密機器で非常にデリケートなところもありますので、掃除・クリーニングは慎重に行うようにします。
このページでは重点的に掃除・クリーニングしたほうがいい部分や実際の方法などを紹介したいと思います。
方法
1.道具を用意する
埃のたまり具合や汚れ具合にもよるのですが、基本的に道具は用意しておいた楽です。
パソコンはネジが使われていることがほとんどなので、ドライバーがなければパソコンのケースを開けることもできないかもしれません。
それと掃除機も欠かせませんね。
それ以外にもウエットティッシュや基盤用の専用ブラシなどもあったほうがスムーズにクリーニングできると思います。
2.ケースを開ける
パソコン内部にアクセスするためにケースを開けます。
メーカーによってパソコンの大きさ・形もそれぞれですから、これといった方法はないのですが、手がかりとしてはパソコンのマニュアル(説明書)があります。
メモリー増設については、マニュアルに記載されていることが多いのでここにパソコンケースの開け方が載っているのです。
一番多いのは、デスクトップパソコンならサイドパネル、一体型のパソコンなら後ろのパネルを取り外すことでパソコンの内部を見ることができることが多いのです。
ケースを開ける作業というのは、どのパソコンも比較的簡単にできるようになっています。
3.目に見えたところから進める
掃除・クリーニングは目に見えたところ、目立ってすぐに分かるところから始めるといいと思います。
ケースを開けた瞬間に、すでに全体的に汚れていたり、目立って汚れているところがすぐ見つかることもあります。
もちろん掃除機でもいいのですが、掃除機を基盤やパソコンの部品にぶつけないことです。ガンガン吸い取るのはいいのですが、掃除機の先端などを基盤や回路などにあてると故障の原因になります。
できるだけ専用のブラシなどでゆっくり埃を取りながら、ブラシに付いた埃を掃除機で吸い取るというのが安全で効果的です。
4.掃除・クリーニングするポイント
パソコン内部には埃がたまりやすいポイントというのがあります。
なぜパソコン内部に埃がたまりやすいのか?でも解説しましたように、空気の流れがあるところに埃はたまる傾向にあります。そこを見ていくといいかと思います。
ただし部品の取り外しなどは無理はしないことです。
目に見えたところをクリーニングするだけでもだいぶ違います。手の届かないところはエアスプレーなどを使用します。自分のできるところで進めることが大切です。
写真を交えながら解説したいと思います。
目に見えたところとしては、ケース底面などがよく埃がたまります。
基盤に当てないように掃除機などで吸い取ることができます。
基盤(マザーボード)上は、専用のブラシやエアダスターなどを使用すると効果的です。
要は掃除機の先端を直接 ガツガツと当てないことです。ブラシについた埃を掃除機で取る、エアダスターで弾いた埃を掃除機で取るなど工夫します。
拡張スロット付近にも埃はたまりやすくなっています。
拡張スロットに増設されている機器。
基板上(表・裏)によく埃が付着します。
埃を取り除くことができます。
メモリーにはうっすらと埃が付着することがあります。
メモリーを外してクリーニングしてもいいし、そのまま行うこともできます。ストットまで埃が入り込んでいる場合はメモリーを外したほうがきれいに掃除できます。
きれいになります。
パソコンケースにファンが付いている場合はその近辺になります。
パソコンの機種にもよりますが電源ユニットの部分も埃が付着しやすいところです。
CPUクーラーは一番埃がたまります。電源が落ちたり、動作が遅くなったりというトラブルが直接関係していることが多い箇所です。
一部のデスクトップパソコンや自作パソコンでは、グラフィックボードは確認しておいたほうがいい箇所です。
ケースの外側の端子部分に埃が付着していることもよくあります。
ここは掃除機などできれいにすることができます。
空気の流れを取り戻す
埃や汚れで空気の流れが悪くなり排熱が落ちているので、パソコンの掃除・クリーニングというのは、「空気の流れを取り戻す」というのがポイントです。
デスクトップパソコンの実例を交えながら解説します。
ケースを開けたところですぐに埃や汚れが目立ちます。電源やケースファン、CPUファンです。
CPUファンを外したところ。CPUファンはネジやレバーやドライバーなどいくつかの方法で固定されています。
エアダスター、ブラシ、ウェットティッシュ、掃除機で綺麗にすることができました。静音化しCPU温度も下がります。
ケースのフロント部分ですケースファンを取り外したところ。
ウェットティッシュ、掃除機で綺麗にすることができました。音がうるさいトラブルが軽減しました。
一体型パソコンの電源ユニット部。電源ユニットがカバーで覆われていて埃が付着しています。
ブラシや掃除機などで取り除きます。
どのパソコンもCPUクーラーは埃がたまりやすくなります。ぱっと見はあまり分からないのですが・・音がうるさいとか温度が高いという時は確認します。
レバーを上げるだけでファンが外れるタイプもあります。ヒートシンクに埃が積もっています。
こういうのもウェットティッシュや掃除機で綺麗にクリーニングできます。
CPUクーラーです。CPUファンとヒートシンクを分けたところ。埃が非常にたまっているのがわかりますね。これではさすがに CPUを冷やすことはできません。
ウェットティッシュと掃除機だけでも ピカピカにできます。
CPUファンとヒートシンクの間に埃がたまっています。
エアダスターでクリーニングします。
CPUファンを取り外さなくても きれいにすることができました。
CPUファンの取り外しが難しい時はこのようにエアダスターを使います。
グラフィックボードの付いたパソコン。パソコン内部やグラフィックボードが埃にまみれています。
取り外したグラフィックボードは、エアダスターやブラシ、綿棒なども使用しました。
なかなかピカピカになります。
パソコンの形・大きさはたくさん種類があるので、そのパソコンにあったクリーニング方法で行います。ただパソコン内部というのはある程度構成は似ていますし、使用する道具はここで紹介したものでも十分行うことができます。