パソコン内部に埃がたまる原因と影響
パソコンは長く使用していると、内部に埃がたまることがあります。これはデスクトップパソコンでもノートパソコンでも共通して起こりうることです。
埃がたまっているかどうかは、パソコン内部を確認しなくてもなんとなく分かることがあります。例えば、ファンの音がうるさくなった、排気部分が以前に比べて熱くなった、またパソコン使用中に電源が落ちるなど目に見えたトラブルとして表れることもあります。
このページでは、パソコン内部に埃がたまる原因やたまりやすい場所、埃の影響について解説しています。
吸気と排気
パソコンは電子部品で構成されており、使用すると発熱します。
発熱する主な部品は、電源ユニット、CPU、HDD、グラフィックボード、マザーボード、メモリーなどです。
様々な部品が発熱するため、パソコン内部にはいくつかファンが取り付けられます。主にPCケース、電源ユニット、CPU、グラフィックボードなどになります。
このファンが空気の流れを作り、パソコン内部・部品の熱をできるだけケースの外へ逃がしていくような作りになっています。
例 PCケース。前面と背面にファンが付いています。
ケースの外側からパソコン内部に空気を取り込むのが吸気、ケースの外側へ空気を出すのが排気です。
例 CPUクーラー。
CPUの熱がヒートシンク(金属)へ伝わり、CPUファンが風を送り込むことで冷却します。
例 電源。ファンが回転して空気を取り入れ 電源内の熱を排出します。
例 グラフィックボード。ファンが回転してグラフィックボード全体を冷却します。
ノートパソコン内部。CPUの熱がヒートシンクを伝わり、CPUファンからの風で冷却します。
ノートパソコンは、CPUファン下の吸気口から取り入れた空気、もしくは内部の空気が流れます。
このように、ファンは空気を取り入れる吸気や、空気を排出する排気で発熱するパソコンパーツを冷却しています。
埃
パソコン内部で空気の流れが生じるので、当然パソコンの外からもパソコン内に空気が入ってきやすくなります。
このときに、空気ととも埃も混じって入ってきます。
これがパソコン内部の埃の原因になります。そう簡単に埃がたまるわけではないのですが、長年使用していると微小な埃も積み重なってくるというわけです。
ケースにファンが付いていなかったり、空気を外から取り入れていないようなパソコンでもパソコンのわずかな隙間や排気口から入ってきます。
環境
パソコンの筐体の仕組み、ファンの数や構成などによって 埃のたまりやすさというのは多少異なります。
埃がたまりやすい傾向としては、やはり空気が汚れている環境というのがあげられます。埃は空気とともに入ってくるため、空気中に埃や汚れが多い環境というのは必然的にパソコン内部に埃が入ってきやすくなります。
具体的には、ペットの毛、タバコの煙、土足で出入りする部屋(会社・事業所)などがあげられます。
空気清浄機のあるところは、やはりパソコン内部も埃や汚れが少ない傾向にあるといえます。
埃のたまりやすい場所・影響
埃がたまりやすい場所としては、ファンのあるところがあげられます。
ファンのあるところは、空気が強く流れ込み、空気はすり抜けていっても埃は引っかかってたまっていきます。
PCケースの前面。
PCケースのファンに埃がたまるということは、ケース外からの空気がスムーズに入ってこない、ケース内の空気がスムーズに排出されない、冷却が効きにくいということになります。
結果として、パソコン内部の温度が高くなる、故障する可能性が高まる、機器の寿命が短くなる、ファンの音がうるさくなることが推測されます。
CPUクーラーは、パソコン内部でも一番埃がたまりやすい場所です。CPUファンそのものと、ファンとヒートシンクの間に一番よく埃がたまります。
CPUクーラーに埃がたまると、CPUファンが冷却しようと高回転になったり、異音がすることがあります。要するに音がうるさいというトラブルです。
そのまま使用した場合、CPUの冷却がスムーズに行われなくなり 強制的にパソコンの電源が切れるようになります。ハードディスクの故障、Windowsが起動しないというトラブルにもつながります。他にパソコンの動作が緩慢になることもあります。
ノートパソコンでは、CPUファンの排気口に埃がたまりやすくなります。
デスクトップパソコンと症状は同じです。
電源は排気口(ケース外)より吸気口(ケース内)に埃が付着しやすい傾向があります。
電源のファンに付着する埃は、電源の冷却を妨げる原因になります。電源の温度が下がりにくくなります。
電源ユニット内部には、コンデンサという部品がありますが、高温を維持したまま動作を続けると、コンデンサの液漏れや破損などにつながることがあります。
最近の電源はコンデンサの質がよくなっているので、すぐに故障につながったりということはありませんが、注意すべき点ではあります。
グラフィックボードは、ボード裏側の基盤、ファン全体、ファン内部に埃がたまりやすくなっています。
グラフィックボードはデスクトップパソコンの一部の機種に限られますが、自作パソコンやBTOパソコンでは比較的多く見ることができます。
グラフィックボードは、ボード全体やファン内部に埃がたまりやすくなっています。
ケース内にたまった埃がそのまま、グラフィックボードの裏側(基盤)に付着したり、ファン内部にたまると、ボード全体が高温になりがちです。
グラフィックボードに内蔵されたGPU(グラフィックチップ)は、通常の使用でも高温になりやすいため、そのまま使用した場合は、グラフィックボードの故障に直結します。また、GPU以外にもグラフィックメモリーが付いています。これも高温で故障する可能性は高くなります。
ファンに埃がたまると、CPUファンと同じく音がうるさい、異音がすることがあります。そのまま使い続けた場合、画面が乱れる、画面がフリーズするなどのトラブルが起きることがあります。
他に埃がたまりやすいところとしては、他に以下のところがあります。
メモリーやメモリースロットの隙間など。
画面が乱れる、フリーズする、メモリーの故障などが起きる可能性があります。
CPU周辺やマザーボード上など。
マザーボード上でのショート、コンデンサの故障などが起きる可能性があります。
ケース前面や背面の端子部分。
他にもパソコン内部というのは、いろいろなところに埃がたまります。
これはケースの形や構造、ファンの有無、パソコンを使用している場所の環境などによって異なるので、一概にはいえません。なかには何年使用していても、パソコン内部が非常にきれいな状態ということもあります。
一般的に、パソコン内部に埃がたまったまま使用していると何らかの影響が出てくることが多いといえます。
対応策
このようにパソコンというのは、電子機器やコンデンサなどによって構成されており、吸気や排気によって排熱・冷却を行っています。また基本的に内部の埃は、外部の環境にある埃が長い日数をかけてたまっていきます。
何らかのトラブルが生じている場合は、パソコン内部のクリーニングを行う必要があります。予防や対策、緩和する方法としては、パソコン周辺を定期的に掃除する、また空気清浄機があげられます。
基本的に環境の埃を吸い取ることができる一定の性能を備えている空気清浄機であれば、効果はあると考えられます。
他に関連することととして、コンセントの埃もあげることができます。コンセントに埃がたまり発火する現象をトラッキング現象やトラッキング火災といいます。まれにニュースになることがあります。
電源のケーブルとコンセントが、机の下や荷物の後ろなどにあり 長期間そのままにしている場合は、定期的に確認・点検を行うことも必要です。