最も埃が集まりやすいCPUファン
パソコン内部のクリーニングにおいて、最も焦点となるのは CPUクーラーになります。
CPUクーラーに埃がたまり、そのまま使用していると音がうるさい、電源が落ちるなどのトラブルが起きることもあります。
このページでは、主にデスクトップパソコンのCPUクーラーの基本的な構造、CPUファンの取り外し方法、実際のクリーニング方法について解説しています。
基本的な構造
CPUを冷却する部品を CPUクーラーといいます。
CPUクーラーは、主に金属製のヒートシンクとCPUファンの2つの部品から成り立っています。メーカー製パソコンでは形やデザインが違ったとしても、基本的な構造は同じです。
パソコンに取り付けてあるCPUクーラー。
CPUで発生した熱がヒートシンクに伝わり、CPUファンから風を送ることで冷却しています。
パソコンから取り外したCPUクーラー。
CPUクーラーはヒートシンクとファンの部分で成り立っています。通常はこの2つは分離できるようになっています。
また CPUとヒートシンクの接するところには、CPUグリスが塗布されています。
CPUファンの取り外し
ヒートシンクとCPUファンの取り外しをしやすいかどうかというのは、パソコンによって異なってきます。
ここでは、分かりやすいようにCPUクーラーをマザーボードから取り外しています。
例:CPUクーラー。
4箇所 ネジで固定されているタイプ。
プラスドライバーでネジを外していきます。
CPUファンを取り外すことができます。
CPUファンの取り外しで注意すべき点は、羽根の部分を手で抑えたり、力を加えたりしないことです。軸が曲がったり、故障することがあります。
例:CPUクーラー。
ファンの内側にネジで固定されています。
ドライバーでネジを取り外します。
CPUファンを取り外すことができます。
例:CPUクーラー。
ネジが使われていないCPUクーラーもあります。
ネジではなく、ピンで固定されています。
爪がかかっているのでマイナスドライバーなどで解除してきます。取り外しはやや難しいタイプです。
CPUファンを取り外すことができます。
他にも様々な形状のCPUクーラーがありますが、ヒートシンクとCPUファンという基本的な構造に着目するとそれほど大きな差異はありません。
実例
ここでは、例として実際のメーカー製のデスクトップパソコンで解説しています。
電源の主電源をOFF、また電源ケーブルやその他ケーブルも外します。PCケースに傷がつくことがあるため、下に布製のものなどを敷いて作業します。
PCケースの内部にアクセスするため、サイドパネルを固定しているネジを外します。
PCケースの内部を確認することができます。
この例では、CPUクーラーにカバーが付いているため取り外します。
CPUクーラーが確認できます。ヒートシンクにCPUファンがネジで固定されています。
CPUファンを取り外すと、CPUファンとヒートシンクの間に埃がたまっているのが分かります。一般的にデスクトップパソコンでは、この部分に最も埃がたまりやすくなっています。
この部分をウェットティッシュなどでクリーニングします。CPUファンにも埃が付着していることがありますが、ファンに力を加えたりせず、綿棒やウェットティッシュなどで慎重にクリーニングします。
クリーニング後。
このようにCPUクーラーというのは、CPUファンの取り外しができるものが多くなっています。
CPUクーラーのクリーニングでは、CPUファンを取り外すか取り外さないかという点があります。どちらにするかは、CPUファンの取り外しがしやすいか難しいか、あるいは埃がどれだけたまっているかという状況にもよります。
例えば 埃の付着が多い、固定方法が簡単で着脱が容易にできるという場合は、CPUファンを取り外すということもあります。
エアダスターなどを使用すると、CPUファンは取り外さなくても 埃を除去できる場合もあります。そのため、CPUファンは基本的に取り外さないというのが無難です。
CPUファンを取り外さずにクリーニングする方法でも、CPU温度やファンの回転数が下がり、電源が落ちる・ファンの音がうるさいというトラブルが解決することがあります。
メーカーや機種によって、分解方法やCPUファン・ヒートシンクの形状は異なるのですが、基本的な考え方は同じであり、方法は主に3つに分かれます。
- 簡易版・・PCケースのカバーを開けて、見える部分のみ簡易的にクリーニング
- CPUファン取り外し・・CPUファンの下の埃をとる
- 完全版・・ヒートシンクを外して完全にクリーニング
どの方法で行うかは、そのパソコンの分解のしやすさ、CPUファンの形状、汚れ具合などで違ってきます。完全にクリーニングする場合は、CPUグリスの塗り直しまで行うことがあります。