ROM上のソフトウェアの書き換え
ファームウェアとは、電子機器を制御するために組み込まれているソフトウェアです。機器のROMに書き込まれています。
ROM上のソフトウェアを書き換えて最新にする、アップデートすることをファームウェアの更新といいます。
パソコンのマザーボード上のBIOSやUEFIも ファームウェアの一種です。マザーボードの場合は BIOS・UEFIという呼び方で統一されています。
機器
パソコンや周辺機器など、様々な部品・機器にファームウェアが内蔵されています。
ルーター。
ルーターには回線業者のレンタルのものや、市販されているものがありますが、基本的にどちらのルーターにもファームウェアは内蔵されています。
無線LANルーター。
無線機能の付いたルーターです。ルーター機能のないものをアクセスポイントともいいます。
ネットワークプリンター。
LAN接続のプリンターをネットワークプリンターといいます。
ネットワークディスク。
LAN接続のハードディスクを、ネットワークディスクやNAS(ナス)といいます。
他には LAN接続・無線LAN接続のネットワークカメラなどがあります。
一般的に、IPアドレスがある、ログインして設定を行うネットワーク機器の多くがファームウェアを内蔵しています。
他にパソコンを構成している部品にもファームウェアが内蔵されているものがあります。
マザーボード。
マザーボードのファームウェアは、BIOSやUEFIともいいます。BIOS・UEFIの更新は、BIOSアップデートといいます。
光学ドライブ。
パソコンにはほとんどの機種で内蔵されています。CDやDVDなどを使用する機器です。
ハードディスク。
OSがインストールされていたり データが記憶されている機器です。
SSD。
フラッシュメモリーで読み書きを行うストレージです。
更新ファイル
ファームウェアは、あとから不具合や欠陥、脆弱性が見つかることがあります。他に 新しいOSに対応したり、転送速度の改善や機能の追加といった場合もあります。Windowsやソフトウェアのアップデートと同じと考えることがあります。
重要かつ緊急のファームウェア更新ファイルもしばしばあります。
例えば、ネットワーク機器では 外部から操作される可能性のある脆弱性が見つかるといったこともあります。またハードディスクでは、そのまま使用していると重大な故障につながるファームウェアの問題が見つかり、更新ファイルが公開されたこともあります。
逆に発売から長く経つものの、特に問題がない機器ではファームウェアの更新ファイルが公開されないということもあります。
ファームウェアの更新ファイルの内容や更新方法については、メーカーサイトで確認するのが一般的です。
バージョン
ファームウェアにはバージョンがあります。
通常ファームウェアの更新を行う場合は、現在使用しているネットワーク機器やデバイスのファームウェアのバージョンを確認することになります。
ネットワーク機器では、ネットワーク機器の管理画面、パソコンを構成してる部品では、主にソフトウェア上で確認することができます。
管理画面やソフトウェアのメニューにある 管理やシステム、ファームウェアの更新のところなどに表示されています。
例:無線LANルーター。
例:SSD。
更新方法
ファームウェアの更新は、主に2通りの方法があります。
ルーターや無線LANルーターなどネットワーク機器では、機器の管理画面からダウンロードした更新ファイルを指定して実行します。SSDなどパソコンの部品は、ソフトウェアから更新ファイルを指定したり、ソフトウェア上で自動的に行われます。
例:無線LANルーター。
ダウンロードした更新ファイル。
メーカーサイトで型番を入力して、更新ファイルをダウンロードします。
現在使用している機器のファームウェアのバージョンより 新しいバージョンがある場合、更新の内容などが表示されています。
ファイルをダウンロードすると、更新ファイルの他、更新方法を記載したreadmeファイルなどが付いていることがあります。
管理画面から更新ファイルの指定。
更新を実行します。
機器にもよりますが、1分~3分など時間がかかることがあります。
例:SSD。
ソフトウェアからファームウェアの更新をクリックすると、自動的に行われることが多くなっています。
メーカーやソフトウェアによっては、更新ファイルをダウンロードし 指定して実行することもあります。
ネットワーク機器やSSDなどのファームウェアの更新は ファイルの書き換えになるため、多少時間がかかります。更新中に機器やパソコンの電源を切ったりしないように注意が必要です。
ルーターや無線LANルーターなど機器によっては 自動更新を設定できるものもあり、必ずしも手動で更新を行うというわけではありません。
ネットワークディスクやHDD・SSDなどはデータが格納されているため、事前にバックアップをとるなど慎重に行う必要があります。
ファームウェアを内蔵している機器で、何らかのトラブルが起きているという場合、ファームウェアの更新ファイルが公開されていないか確認するということがあります。
その機器が原因となっている問題が解決することもあります。
またファームウェアを更新しておくことで、将来起こり得るであろうトラブルを事前に回避することができると考えることもできます。