パソコンの機能を拡張する

パソコンの機能を拡張するものとして、拡張カードといわれるものがあります。

主な拡張カードとして、グラフィックボード、USBボード、LANボード、サウンドカード、TVキャプチャボード、M.2-PCIeボードなどがあります。

拡張カードは、マザーボードの拡張スロットという箇所に増設を行います。

このページでは、拡張カードの増設方法、関連する項目について解説しています。

基本的な流れ

拡張カードを増設する基本的な流れは、以下のようになります。

  • 電源OFF、主電源OFF
  • 増設場所の確認
  • 拡張カードの準備
  • 増設
  • 電源ON
  • ドライバのインストール

グラフィックボードは、拡張スロットの中でも PCI-Express x16に増設します。それ以外の拡張カードは、該当する拡張スロットを使います。x1の拡張カードは x1スロット、x4の拡張カードは x4・x8・x16などを使うのが一般的です。

方法

ここでは例として、USB3.0のボードを使い解説しています。

拡張スロットまず使用しているパソコンの拡張スロットの種類や数を確認します。

この例では、上からPCI-E x1、PCI-E x16、PCIスロット、PCIスロットの4つであることが分かります。


USB3.0の増設ボードUSB3.0の増設ボード。PCI-Express×1に対応。


増設x1のスロットに切り欠きを合わせ増設します。取り付け後、インチネジ大で固定します。


USB3.0のボードは、補助電源が必要になることがあります。その場合は、電源ユニットからケーブルを繋ぎます。FDD用4ピンやペリフェラル4ピンが使われることがあります。


ケース背面増設後、ケース背面から確認します。ケースと干渉している場合、ネジを緩めて微調整を行います。


ドライバーのインストール電源をONにしてパソコンを起動させ、ドライバーをインストールします。

使用するOSやボードによっては、ドライバーのインストールを行わなくてもいい場合があります。


ドライバーインストール後に、USBメモリーなどを繋ぎ動作確認を行います。

インターフェース

拡張スロットのインターフェースには、PCI-ExpressやPCIがありますが、PCIはPCI-Expressに移行しつつあり、近年のマザーボードは PCIスロットを実装していないものが多くなってきています。

またこれに伴い、PCIのインターフェースを持つ拡張カードも少なくなってきており、汎用性を考慮するとPCI-Expressを選択することが多いと考えられます。

ただ使用しているマザーボードにPCIスロットがあり、それを活用するという場合は、PCIスロットに対応したカードを選択することもあります。

USB3.0のボードは、基本的にPCI-Express×1になります。LANボードなど他の拡張カードでPCIのものがあります。

内蔵と外付け

拡張カードは、拡張スロットに増設し内蔵させて使うものになります。

ただこの拡張カードと同等のものは、外付けのUSB接続でもあります。機能としてはほとんど変わらず、内蔵させて使うか外付けで使うかという違いになります。

例えば、USB3.0ボードであれば USBハブ、LANボードやTVキャプチャボードであればUSBタイプのものもあります。TVキャプチャボードというのは、地デジを視聴するカードのことです。

内蔵させて使う場合は、PC外に配線がないなどのメリットがあります。またロープロファイル対応とあるものは、ブラケットを取り替えることでスリムタイプのケースにも増設することができます。

USB接続で機能を実現できるようになってきていることから、近年はサウンドカード、TVキャプチャボードなど、拡張カードのものは少なくなってきています。

実例

TVキャプチャボードPCI-E接続のTVキャプチャボード。


増設グラフィックボードの2スロット専有があるため、PCI-E×1の干渉しないスロットに増設。


ケース背面ケース背面。


LANボードPCI接続のLANボード。


ロープロファイルロープロファイルの金具に付け替え。

ロープロファイルは、主にスリムタイプのケースで使います。


増設PCIスロットに増設。


ケース背面ケース背面。


M.2 PCI-EカードM.2 PCI-Eカード。


NVMe SSDの取り付けNVMe SSDの取り付け。


M.2 PCI-Eカードの増設マザーボードのx16、x4などのスロットに増設。

この例では、グラフィックボードが付いていないため PCI-Express x16スロットに増設。


NVMe SSDは、PCI-E×4で動作するため x4・x8・x16などのスロットを使います。

x4やx8のスロットがない場合、x16のスロットを使いますが、どのスロットを使うかは、マザーボードのレーン構成を確認して決めることになります。

M.2 PCI-Eカードは、マザーボードに取り付ける際に 基板上のM.2 SSDを強く押し付けたりしないように注意が必要です。増設後はディスクの管理から、該当のディスクを使用できるようにフォーマットを行います。

基本的に、UEFIにNVMe SSDの認識の項目があるマザーボードでは、増設後にNVMe SSDを確認できます。またWindows 10では、特にドライバのインストールを行う必要もなく、ディスクの管理で 未初期化のディスクとして確認できます。

OSをインストールする起動ディスクとして使用する場合は、基本的にIntelの9シリーズ以降のマザーボードが対応しています。

拡張カードの増設では、グラフィックボードがすでに取り付けてある場合、干渉の有無を確認することになります。

PCIスロットカバー

PCケース背面にある拡張スロット部分のカバーを、PCIスロットカバー、PCIブラケットカバーといいます。

PCケースによっては 着脱式のものではなく、完全に取り外すタイプになっていることもあります。このような場合、拡張カードを取り外すと元々付いていたカバーを付けることができなくなります。

また中古の自作パソコンやPCケースでは、スロットカバーが外れているということもあります。

ケース背面のカバーケース背面の部分。


ブラケットカバーPCIブラケットカバー。


取り付け取り付け。拡張カードと同様、インチネジ大で固定します。


ケース背面取り付け後。


PCIスロットカバーは、ミドルタワーでもミニタワーでも基本的に幅は同じです。

網掛けのメッシュタイプや通風孔付きのタイプが主流となっています。インチネジは、付属していないことが多いため 別途用意する必要があります。