自作パソコンの第一段階
自作パソコンでは、マザーボードへのCPU取り付けからスタートします。どの世代のパソコンを自作するにしても、基本的な流れは同じです。
- マザーボードの準備
- CPU・CPUクーラーの取り付け
- メモリーの取り付け
CPUはパソコンの頭脳です。組み立て時は一番最初でありながら、最も慎重に行うところになります。
このページでは、主にIntelのCPUの取り付け、CPUクーラーやメモリーの取り付け、AMDの基本的な流れなどについて解説しています。
CPU
マザーボードを袋から取り出します。基本的に静電気防止手袋を使うのが無難です。
机の上などに 少し厚めの布製のものやプチプチなど敷きます。そして、包んでいた袋を下に敷きます。布などを敷くのは、CPUクーラーを取り付ける際に力が加わるためです。
マザーボードのCPUを装着する部分に、プラスチック製の保護カバーが付いています。保護カバーはそのまま取り付けた状態で、レバーを解除して CPUソケットを開きます。
マザーボードのCPUソケットカバーを付けたまま取り付けを行うかどうかなどは、マザーボードの世代、メーカーや型番などによって異なります。
どのような方法で取り付けを行うかは、マニュアルを確認するようにします。
CPUソケット内にゴミが入ったりしないようにします。
CPUを準備します。
CPUソケットに凹凸があり、CPUの凹凸と合うようになっています。LGA1155、LGA1151などソケットによって切り欠きの場所は異なります。
InteのCPUは、基本的に静電気防止手袋を外して素手で持ちます。
事前に手や指の静電気を逃しておき、CPU裏側の基盤部分に触れないようにします。
CPUソケットの上下に窪みがあるので、そこにCPUを持った指が当たるようになっています。CPUを親指が下、人差し指が上のように持つと取り付けしやすくなります。
CPUの左下に矢印のマークがあります。ここがCPUソケットの左下に来るようになっています。
CPUを装着します。この時は慎重に行うようにします。中途半端に取り付けて左右にずらしたりすると、CPUソケットのピンが曲がったりするので注意します。
CPUを装着したらレバーでロックします。保護カバーは自動的に外れるようになっています。
CPUクーラー
CPUクーラーです。CPUファンとヒートシンクが一緒になっています。
ヒートシンクの裏には、CPUグリスが塗ってあるため、触れないように注意します。
IntelのCPUクーラーは、デフォルトでは矢印は写真のように向いています。そのまま取り付けできるようになっています。
CPUクーラーの取り付けでは、事前にCPUファンのケーブルの取り付け場所を確認します。ケーブルが届けば特に問題はないため、CPUクーラーの取り付けの向きは厳密に決まっているわけではありません。
マザーボードの4ヶ所の穴にそれぞれのピンをあわせます。土台がマザーボードにきちんと収まっているか確認します。
CPUクーラーの固定は、右上→左下→左上→右下のように 対角留めを行います。きちんとはまるとカチッと小さく音がなるのが特徴です。
CPUファンのケーブルは、マザーボードのコネクタに接続します。CPUの近くの CPU_FANとある箇所です。
CPUクーラーを取り付けると、そのまま手で掴むことができます。マザーボードの裏面を確認します。正常に取り付けできている場合、プラスチックの土台に4本の黒いピンが収まっています。
取り付けがうまくできなかった場合は、CPUクーラーの取り外しを行い、再度やり直します。
メモリー
メモリーを準備します。
メモリースロットを確認します。メモリーの切り欠きとメモリースロットの凹凸を合わせるようにします。
両端の爪を外側に開きます。メモリースロットによっては片側だけのこともあります。
メモリーの両端を持ち、スロットに押し込みます。メモリースロットの爪がメモリーにきちんとかかれば正常に装着されています。
これでCPU・CPUクーラー・メモリーのマザーボードへの取り付けは終わりです。マザーボードごと動かす時は、CPUクーラーを掴みます。
このように、マザーボードにCPU・CPUクーラー・メモリーを正確に取り付けます。
一般的に自作パソコンでは、この状態で電源ユニットやフロントパネルコネクタ、ディスプレイをつなぐと、BIOSを起動させることができます。つまり、パソコンの中核ともいえるものができあがるということになります。
マザーボードにCPU・CPUクーラー・メモリーを取り付け後は、PCケースへのマザーボードや電源の取り付けに進みます。
AMD
AMDも基本的な流れは同じです。ここでは Socket AM4で解説しています。
レバーを上にあげます。
CPUの左下の矢印のマークが、ソケットの左下にくるように合わせます。
レバーを下げて固定します。
Socket AM4では、マザーボードのリテンションをそのまま付けて CPUクーラーを固定する方法と、リテンションを外して固定する方法があります。前者はリテンションにロックさせるようなかたちで固定し、後者はネジで固定します。
リテンションを外した状態。
ファンのケーブルの長さを確認してCPUクーラーをあわせます。固定する4箇所は、正方形ではなく長方形になっているため、固定は2通りのパターンになります。
1箇所づつネジで留めるような方法ではなく、対角留めなどを使い それぞれのネジを少しづつ留めていきます。これを何回か繰り返します。
それぞれの箇所でネジを留めて固定します。固定に成功すると間隔がなくなります。
この後、メモリーを取り付けます。
CPUの取り付けにおける IntelとAMDの違いは主に2つあります。
Intelは、CPU側にピンがあり CPUクーラーをプッシュピンで固定します。一方 AMDは、CPU側にピンがあり CPUクーラーはネジで固定します。
実例
Mini-ITX。
マザーボードの大きさが異なりますが、取り付けの流れは同じです。
純正のCPUクーラーでない場合も、手順に従い取り付けを行います。
そのソケットに対応しているCPUクーラーであれば、取り付けはできるようになっています。
バックプレートタイプのCPUクーラーでは、CPU取り付け後に、マザーボードの裏側にバックプレートを付けます。
熱伝導率などを考慮して、はじめから別のCPUグリスを塗布することがあります。
この場合、CPUクーラーに付いているグリスは除去します。
メモリースロットの爪が片側のみというものがあります。近年増えているタイプです。
まず片側の爪をずらして、メモリーの取り付けができるようにします。そしてメモリーは通常のスロットでの取り付けと同じように、スロットに対して垂直に取り付けます。
片側のスロットの爪が開かないため、メモリーを取り付けにくく感じることがありますが、メモリーを斜めにしたり、角度をつけて取り付けたりすると、メモリーやメモリースロットが故障する可能性があります。
メモリーを1枚使う場合は、いずれかのスロットに取り付けます。
CPU付近はやや熱がこもるため、一般的にCPU側から2番目~4番目いずれかを使います。
どのスロットに取り付けても、概ね動作しますが、推奨の場所はマザーボードのマニュアルに記載されています。
デュアルチャネル。
メモリースロットが4つあり、メモリーを2本1組で使う場合、メモリースロットは1と3、2と4のように同じ色になっているスロットに取り付けます。
1と3、2と4のいずれかを使うかは、マニュアルで確認します。
デュアルチャネル×2。(4GB×2)×2。
NVMe SSD。
M2スロットへのNVMe SSDの取り付けもこの段階で行うことができます。
CPUファンの電源の場所やメモリースロットの取り付け場所など、不明な点はマニュアルを確認しながら進めていくことになります。