情報資産のバックアップ
バックアップ用の機器のひとつとして ネットワークディスクがあります。LAN接続のハードディスクで NAS ナスともいいます。どちらかというと、主に会社や事業所で使われる傾向があります。
データバックアップ用の他に、複数のPCからアクセスできるという特徴があるため、共有データをおいて使うということもあります。
ネットワークディスクでありがちなのが、データのおき場所になってしまっていることです。この状態でネットワークディスクが故障すると、データを喪失してしまうことになります。
ハードディスクを2台搭載しミラーリングするRAID1のものもありますが、操作ミスや予期せぬトラブルで、2台のハードディスクに入っていたデータが消えるということもあります。
会社や事業所の場合は、データというよりも 情報資産という捉え方が適切になります。業務が中断したりすると、可用性の損失ともいうことができます。
ネットワークディスクにのみにデータが入っている場合は特に、ネットワークディスクのデータバックアップを検討すべきといえるでしょう。
USBデバイス
バックアップの方法として、NASからUSBデバイスへのバックアップがあります。
多くのネットワークディスクは、USBデバイスへのバックアップが想定された作りになっています。
NASの背面にUSBポートがあり、USBの外付けハードディスクなどを繋ぐことができるようになっています。
NASの管理画面内で、接続されたUSBデバイスを指定し バックアップの設定をすることで、NASからUSBデバイスにバックアップが行われます。
ネットワークディスクが故障したとしても、USBデバイスにデータがあるため データは保全される可能性が高くなります。
また、ネットワークディスクにアクセスできないなどのトラブルの際、応急的に USBデバイスをパソコンに接続して共有するということもできます。
NASからUSBデバイスのバックアップを取る場合は、応急時にも Windowsのパソコンで確認できるという点で、USBデバイスのファイルシステムはNTFSが適しているといえます。
レプリケーション
NASからNASへのバックアップを行うこともできます。
ネットワークを介してデータを同期させ、片方が不調になった際も、データへのアクセスが可能であることから レプリケーションということもあります。
ネットワークディスクには、他のネットワークディスクへバックアップができるようになっているものもあります。
NASの管理画面内で、他のネットワークディスクを指定しバックアップの設定を行います。
これにより ひとつめのネットワークディスクが故障したり不調になっても、もうひとつのネットワークディスクで代替できる、データを保全できるということになります。
トリプルバックアップ
トリプルバックアップとは、3重・3箇所にバックアップすることです。
例えば、ハードディスク1台のネットワークディスクが現在1つあるなら、USBデバイスと別のネットワークディスクにそれぞれバックアップを行います。
ハードディスクを2台搭載のRAID1のネットワークディスクでも同様です。USBデバイスや別のネットワークディスクにバックアップを行います。
こうすることで、仮に通常使っているネットワークディスクが故障しても、バックアップ用のネットワークディスクを使えるので業務に支障がでることはないでしょう。
トリプルバックアップをするかどうかは、データの量、業務における重要性、データを喪失した場合の影響度などを考えることになります。