レンタルサーバーの基本

レンタルサーバーとは文字の通り、貸し出されるサーバー、レンタルできるサーバーという意味です。ホスティングサーバー、ホスティングサービスともいいます。

レンタルサーバーは、主にWebページを公開するWebサーバー、メールを送受信するメールサーバーとしての機能があります。

レンタルサーバー

また独自ドメインと組み合わせて使用することもできます。

自分でサーバーを持ち、ドメインを運用したり管理することもできるのですが、非常に手間やコストがかかるため、実際にはレンタルサーバーを利用することがほとんどです。

Webサーバー

会社や事業所などネットワーク内に、データを保管したり共有したりするパソコンをサーバー、ファイルサーバーといいます。

こうしたサーバーというのは、ネットワーク内の複数のユーザー・パソコンから同時にデータを閲覧されたり共有されたりしています。

ファイルサーバーが、会社や事業所など特定のネットワーク内でアクセスされるのに対し、Webサーバーはインターネットという巨大なネットワーク内でアクセスされるようになっています。

パソコンのCPUは、PentiumやCore i7などですが、サーバー用のCPUは Xeon ジーオンというブランドであったり、メモリーも長時間の使用に耐えられるようなサーバー用のメモリが搭載されていたりします。

またOSも異なります。複数の端末が同時アクセスしたり、共有したりすることに特化している Windows Server、UNIXLinuxというOSが使われています。

レンタルサーバーは、CPU・メモリー・OS・ストレージ(HDD・SSD)などを基本的な構造とし、RAIDで構成されていたり、Webサーバーソフトウェアとして Apache アパッチなどがインストールされているのが特徴です。

メールサーバー

レンタルサーバーには、基本的にメールサーバーも含まれます。

メールサーバーとは、メールを受信したり、送信したりする機能です。またメールアドレスを作成したり、管理画面からメール送受信を行う Webメールの機能があるのが一般的です。

メールの管理画面 例:さくらインターネット。メールの管理画面。


メールアドレスの新規作成、アドレスごとのパスワード、転送先アドレス、迷惑メールフィルタの設定項目があります。


Webメール Webメール。


パソコンのメールソフトで設定することで、パソコンとメールサーバーを接続してメールの送受信を行うことができます。

Webサーバーとメールサーバーは、それぞれ別に考えることができるため、ホームページ公開などを行わない場合は、メールサーバーのみの利用もできます。

共用サーバーと専用サーバー

レンタルサーバーは、主に共用サーバーと専用サーバーがあります。

共用サーバーは、1台のサーバーのディスク領域を分割して、複数のユーザーで使用する形態です。共有サーバーともいいます。専用サーバーは、1台のサーバーをそのまま1ユーザーで使用する形態になります。

通常はほとんど共用サーバーを使います。コストも安くそれなりに安定しているからです。また近年は、多くのレンタルサーバーでHDDからSSDへの移行が始まっています。そのため、SSDへの移行により共用サーバーのパフォーマンスが向上している傾向があります。

共用サーバーは、プランがいくつか用意されていることがほとんどで、容量や機能などが多少異なります。月額のコストが高いほど、サーバーのスペックが高い、機能が多いという傾向があります。個人向けやビジネス向けなど厳密に決まっていないことが多く、個人でも法人でも利用できるのが一般的です。

専用サーバーは、大規模なホームページ運営やプログラムを動作させて使う場合など企業向けのサービスといえるでしょう。

ディスクスペース

レンタルサーバーでは使用できる容量、ディスクスペースがあります。

Webサーバーにおくことができるファイルの容量と、メールサーバーに保管することができる容量の合計になります。

さくらインターネット 例:さくらインターネット。サーバーのコントロールパネルに表示されたストレージ使用量。


Xserver 例:Xserver。ディスク使用量と空き容量。


メールに関しては、作成したメールアカウントごとに容量がありますが、設定画面で使用可能な容量を変更できるのが一般的です。

ディスクスペースは、レンタルサーバーの会社・プランによって多少異なりますが、一般的に100GB~400GBなど余裕のあるディスクスペースとなっています。使用目的などによっては、10GBでも十分なスペースになることがあります。

初期ドメインと独自ドメイン

レンタルサーバーでは、初期ドメインで使用する方法と独自ドメインで使用する方法があります。

初期ドメインとは、レンタルサーバーで契約した際に割り当てられるドメインで、ユーザーが文字列を決めることができる場合もあれば、自動的に決まることもあります。ただ文字列を決めることができるとはいっても、レンタルサーバー会社のドメインのサブドメインになることが一般的です。

例えば、さくらインターネットでは ○○○.sakura.ne.jp、Xserverでは ○○○.xsrv.jpのようになります。

初期ドメインの割り当てがある場合は、独自ドメインがなくてもWebサーバーやメールサーバーを使用することができます。

またレンタルサーバーによっては、初期ドメインの割り当てがなく独自ドメインのみ対応ということもあります。

独自ドメインは、個人・法人・組織などが取得したドメインです。ドメインのDNS設定を行うことで、レンタルサーバーで使用することができます。DNS設定は、ドメインとレンタルサーバーを関連付けを行う設定で、ドメインの管理画面で行うのが一般的です。

コスト

レンタルサーバーは、初期費用や月間使用料がかかります。初期費用や毎月のコストは、サーバーのプラン、ディスクスペースなどによって異なります。

ホームページの公開やメールアドレスの作成など一般的なレンタルサーバーの使用において 確認する点としては、SSDかどうか、データ転送量の上限、作成できるメールアドレスの数、SSLへの対応、WordPressのクイックインストールの対応、2段階認証の有無(セキュリティの強化)などがあげられます。

特にSSDを使用しているかどうかは重要な点となります。これは、管理画面やWebメールなどでの操作のしやすさ、Webページの表示速度などに大きく影響するためです。

レンタルサーバーによっては、試用期間が設けられているところもあるため、契約の前に試しに使ってみることもできます。

Xserver、お名前.com、さくらインターネットは、ストレージとしてSSD、無料SSLを使用可能、またオプションとして2段階認証が用意されています。

Xserverは、SSDのなかでも より高速なNVMe SSDを採用、さくらインターネットは 2022年2月中旬以降、新規契約のユーザーはSSD、既存ユーザーは順次移行が進んでいます。

コントロールパネル

レンタルサーバーには、サーバーの設定を行うコントロールパネル、ダッシュボードなどがあります。

DNS設定は、ドメインを取得したところで行うため レンタルサーバーの設定にはなりませんが、ドメインの取得とレンタルサーバーの会社が同一の場合は、ドメインの管理画面からDNS設定の確認などを行うことがあります。

独自ドメインのホームページ公開における代表的な設定として ドメインの追加、wwwあり・なしの統一、SSL、他にメールアドレスの作成などがあります。

例:さくらインターネットの管理画面。

さくらインターネットのコントロールパネル

例:Xserverの管理画面。

Xserverのサーバーパネル

公開フォルダ

レンタルサーバーで、ホームページを公開する場合は 決められた場所にファイルやフォルダをおくことになります。この場所を公開フォルダ、ドキュメントルートともいいます。

公開フォルダ

レンタルサーバー各社によって異なり、例えば 以下のように指定されています。

  • さくらインターネット・・・/home/アカウント名/www/
  • Xserver ・・・・・・・・・/ドメイン名/public_html/
  • お名前.com・・・・・・・/ドメイン名/

FTPソフトには、FFFTPやFileZillaなどがあります。設定方法はレンタルサーバーの情報などを参考にします。

またWorppressをインストールする場合も、まず公開フォルダの場所を把握し レンタルサーバーに指定された方法で行います。