バルク品とリテール品の違い
パソコンパーツには、バルク品とリテール品があります。
一般的に、バルク品というのは、簡易包装、低価格、リテール品はパッケージ・箱入り、保証付きという傾向があります。
自作パソコンでは、ほとんどリテール品を使いますが、パソコンショップに行くと、ハードディスクや光学ドライブを中心にバルク品がおかれています。
このページでは、バルク品とリテール品とは何か?実例を交えて解説しています。
バルク品
バルク品というのは、パソコンメーカーで過剰在庫になったパーツ、使われなくなったパーツがパソコンショップに流通して販売されているものです。
パソコンパーツのメーカーは、パソコンを組み立てるメーカーにハードディスクや光学ドライブ、メモリーなどをまとめて販売するのですが、その際に余った在庫がそのままパソコンパーツ店に流通します。
そのため、パソコンショップに流れたパーツは、簡易包装で販売されます。
バルク品とはいえ、本来は市販されるパソコンに組み込まれるパーツなので品質はほとんど問題ないということができます。
ただ一部のパーツでは、過剰在庫が流通したものというよりも、あえて簡易包装という形態で販売していると考えられるものもあります。
- 元々はパソコンメーカー向け
- 価格が安い
- パッケージ、包装が簡素化されている
- 保証期間がやや短い(3ヶ月~10ヶ月)
バルク品は、主にPCパーツ店、専門店で販売されています。これらのパーツはバルク品だけというわけではなく、バルク品もリテール品もあるというのが一般的です。
- ハードディスク
- メモリー
- 光学ドライブ
- カードリーダー
バルク品のハードディスク。
bulk バルクは、ばら積み、船の積荷という意味です。パソコンショップでは積まれて販売されていることがあります。
バルク品の光学ドライブ。
リテール品
リテール品というのは、パッケージに入って販売されているものです。
パソコンパーツメーカーが、外装箱、メーカー保証書、説明書、添付のディスクなどを付属して、一般ユーザーに販売するために出荷した正規品です。
- 一般ユーザー向け
- バルク品より価格が高い
- パッケージ、包装がしっかりしている
- その部品に関連するソフトが添付していることが多い
- 保証期間が長い(1年~3年)
リテール品として販売されているのは、主に以下のようなパーツがあります。
- PCケース
- 電源
- CPU
- メモリー
- グラフィックボード
- SSD
- HDD
- 光学ドライブ
パソコンパーツで使用されるものは、ほぼすべてリテール品です。バルク品ではないものと区別するために、リテール品という言葉を使うことがあります。
CPU。
CPU、CPUクーラーなどがセットになっています。CPUクーラーにはグリスが塗布されています。
CPUでは、ボックス品ともいいます。
メモリー。
メモリーはパッケージに入っています。パッケージ品ともいいます。
グラフィックボード。
グラフィックボード本体、マニュアル、ドライバディスクなどがセットになっています。
SSD。
近年は、SSD本体とマニュアルのみと簡素化されてきています。
ハードディスク。
メーカーによっては、衝撃をやわらげるカバーなどが付いていることもあります。
光学ドライブ。
PCケースに固定するネジやディスクが付属していることがあります。
中古品
バルク品という言葉は、中古のパソコンパーツでも使われることがあります。
例えば、中古市場にあるCPUやメモリーというのは、ほとんどがバルク品です。簡易な包装で販売しています。
中古のバルク品 CPU。
商品説明には、BULKやバルク品と記載されていることがあります。商品は検査済みで動作確認がとれているものであり、中古品として販売されています。
一方、箱や説明書などが付いている場合は、リテール品という言葉は使わずに、単に付属品として何が付いているかを記載しています。
中古のバルク品の中でも、メモリーや光学ドライブなどはそのまま使えます。CPUの場合、交換ではなく新たにそのCPUでパソコンを自作するなら、別途CPUクーラーを用意する必要があります。
ジャンク品
バルク品というのは、その言葉の響きから保証がないもの、動作するかどうか分からないものというイメージもあるかもしれません。
そのような商品は、ジャンク品といいます。動作するかどうか分からないもの、未検証のもの、保証期間がないものです。
ジャンク品は、一部の中古パソコンショップやパーツショップ、オークションなどでみることができます。
BIOSのみ起動するパソコン、電源は入るが動作しないパソコン、故障していると思われるパーツなどです。販売者が正常動作するかどうか検証するのにコストがかかるため、あえて保証を一切付けずにジャンク品として販売するということもあります。
このようなジャンク品は、その一部分のパーツを目的としたり、修理して使うなどの需要があります。
リファービッシュ品
パソコンパーツには、数は多くないものの リファービッシュ品というものもあります。リファービッシュとは、修理、改修などの意味。
故障、特に初期不良などで返品され、修理が行われ販売されている商品になります。
リファービッシュ品。
リファービッシュ品で販売されるパソコンパーツには、主にハードディスク、グラフィックボード、マザーボード、電源などがあります。
パソコンパーツ店で、パソコンパーツとして単体で販売されている場合は、比較的状態がよい、保証期間は短いという傾向があります。
また、市販されているパソコンパーツのリファービッシュ品もあれば、メーカー製パソコンに内蔵されていたもの、BTOパソコンで使われていたものがパソコンパーツ単体としてリファービッシュ品になっていることもあります。
ただリファービッシュという言葉は、修理・調整が行われたものや再生品全般のことを指すため、パソコンパーツだけではなく、中古のパソコンなどでも一般的に使われています。そのため、リファービッシュ品というものがすべてパソコンパーツである、またパソコンパーツのメーカーで修理されたとは限らず、中古パソコンのことを表す、販売店や修理会社などによって修理されていることもあります。