LANを分岐するハブ
交通の要所や道路・路線の集まるところを、ハブ、ハブ機能ということがあります。ネットワークで使われるハブは、ネットワークのケーブルが集まり、分岐があるところです。
ハブは主に会社や事務所など使われます。ルーターのポートがすべて埋まっている際に、ハブを使うことでネットワークにパソコンや機器を増やして使うことができます。
このページでは、ハブとは何か、ハブの接続方法、その他関連する項目について解説しています。
MACアドレステーブル
ルーターとハブは、役割が異なります。
ルーターは、IPアドレスを持っています。そして、ネットワーク内のすべての機器にIPアドレスの割り当てを行います。ログインしてインターネットの設定なども行うこともできます。プログラムが内蔵されている多機能な機器です。
それに対してハブは、LANを分岐するという役割があります。スイッチングハブという一般的に市販されているハブにIPアドレスはなく、ログインして何か設定することもありません。
ハブは、パソコンとMACアドレスの参照表である MACアドレステーブルを持っており、ケーブルを接続するだけでどのポートに どのパソコンが接続されているか認識してデータの送受信を行っています。
接続方法
例えばルーターがあるとします。
ルーターのLANポートはすべて埋まっている状態です。パソコンやネットワークプリンターで使われています。
ハブ。
ハブの裏側。LANポートがいくつかあります。
ハブは電源を入れて使用します。
ルーターのLANポートをひとつ空けます。
このLANポートとハブを繋ぐため、1本 LANケーブルが必要になります。
ルーターからのLANケーブルをハブに繋ぎます。
ルーターからのLANケーブルは、必ずこのポートに繋がなければいけないという決まりはありません。基本的には後で分かるように最も若い番号がいいでしょう。
このようになります。
残りのポートには、先ほどルーターから外したLANケーブルや他のパソコン、ネットワーク機器を繋ぎます。IPアドレスの割り当てなどはすべてルーターが行うため、特別に何か設定する必要はありません。
リンクが確立するとランプが点灯します。複数のポートを使って同時にインターネット、ネットワーク共有を行うことができます。
このようにLANポートが足りない時に、ハブを使うことで さらに多くのパソコンやネットワーク機器を追加することが出来ます。
ポート数
ハブにはポート数があります。LANケーブルをいくつ繋ぐことができるかの違いです。
接続したいパソコンやネットワーク機器、また将来的に増えるであろう機器を想定してポート数を選びます。
ハブの主なポート数は 5ポート、8ポート、12ポート、16ポートなどがあります。
ギガビット対応
ギガビットというのは、データ転送速度のことです。通信速度 1Gbps=1000Mを指します。1000BASE-Tともいいます。
以前は 10/100Mbpsまでの対応のハブが多かったのですが、最近ではルーターやハブなどネットワーク機器の多くがギガビット対応になってきています。
体感できるほどの違いがあるかどうかは使い方・用途にもよりますが、接続機器が多かったり、ネットワーク内でのデータのやりとりが多い場合は、ギガビット対応のものにしたほうが適切です。
カスケード接続
ネットワークに接続する機器が増えると、ハブがひとつでは足りないということもあります。
ハブの下にハブ、さらにその下にハブと 階層的にハブを接続していくことを、カスケード接続といいます。1000BASE-Tより前のものは、2~4階層まで、1000BASE-Tは特に制限はありません。
しかし転送速度の低下などもあるため、通常は2階層までが一般的です。企業などの大規模なネットワークの場合にカスケード接続は使われます。
一般的な使用では このようなカスケード接続を行わなくても、再度ルーターのポートをひとつ空けて別のハブと繋ぎ、接続できる機器を増やすということもできます。
スイッチングハブとインテリジェントハブ
ハブには、スイッチングハブとインテリジェントハブの2種類あります。
一般的に使用されるのは、スイッチングハブとよばれるものです。ネットワーク管理機能を搭載したハブをインテリジェントハブといい、大規模なネットワークを構築する際などに使用されるものです。管理用にIPアドレスを持つことがあります。
通常使用では スイッチングハブを選びます。
ハブ
ハブには、筐体がプラスチック製のものと金属製のものがあります。
ハブは使用すると多少発熱があります。一般的に金属製のハブのほうが、プラスチック製のものに比べると 熱を効果的に排出することができます。
接続機器が多かったり、ネットワーク内でのデータのやりとりが多い場合は、金属製のものにしたほうが適切です。
ハブを販売しているメーカーには バッファロー、NETGEARなどがあります。どこのメーカーもLANケーブルが1本付属品として入っていることがほとんどです。
事業所などではハブが使われていることが多く、インターネットの速度やデータ転送速度が遅いという場合に、LANケーブルとハブがギガビットに対応しているかどうか確認するというのが一般的な対処法です。