FUJITSUには、法人向け事業者向けのデスクトップPCがあります。ESPRIMOというブランド名です。NECはMATEというブランドになります。
ESPRIMOはホーム向けのパソコンに比べるとシンプルなデザインが特徴です。ウルトラスモール型、コンパクト型、一体型 (Kシリーズ)などがありますが、一番多いのはコンパクト型のDシリーズです。
他に類似した型番として、D5350、D5360、D5150、D5160、D3250、D3260などがあります。チップセット、OS、CPUなど世代が変わるとまた別の型番になります。ESPRIMOは パーツ構成をカスタマイズして購入することができるため、同じ型番でも構成が少し異なることがあります。
FUJITSU ESPRIMO D5260(FMV-D5260)。CPUソケットはLGA775、メモリーはDDR2-800。傷が付くことがあるため、布製のものなど何か下に敷いて作業します。
背面のネジ2本を外します。
スライドさせてケースを開けます。
パソコン内部。左上が電源、右上が5インチドライブとその下にHDD、手前がマザーボード。
メンテナンス
ESPRIMOに限らず、法人向け・事業所向けのパソコンは、オフィス内が土足の環境である、書類・ペーパーなど空気中の埃が多い、パソコンの稼働時間が長いということから、ホーム向けのパソコンに比べると内部に埃がたまりやすい傾向があります。
CPUのファンは、レバー(2箇所)を外すことで着脱が簡単にできるようになっています。よく考えられています。ドライバーはいりません。
CPUファンとヒートシンクのところによく埃がたまります。
CPUクーラー上部のクリーニング後。
CPUファンのクリーニング後。
メモリー上やメモリー周辺もよく埃がたまります。
電源部も同じくクリーニングポイントです。
メモリー増設
メモリースロットは主に2つです。カスタマイズ購入した時の内容によりますが、512MB×2、1GB×1、1GB×2、2GB×2などの構成になります。パソコンの型番にもよるので、実際のメモリー増設では マニュアルで確認が必要となります。
この例では、DDR2-800 1GB×2。合計2GB。
対応メモリは、メモリー増設にて調べることができます。
HDD交換
HDDと光学ドライブはマウンタごと取り外します。2本のネジを外します。
マウンタごと取り外して各ケーブルを外します。型番によっては、マウンタ下部に固定レバーが付いていることもあります。
スリムタイプの光学ドライブとFDDが5インチベイに収まっています。単純にこれは、5インチベイ×1、3.5インチベイ×1という組み合わせです。
これらを取り外せば、通常の5インチの光学ドライブに交換することができると考えられます。
側面のネジを外すことで、光学ドライブ交換、HDD交換を行います。
SSD交換
ひとつの選択肢としてHDDではなく SSDを使用するという方法があります。
ESPRIMOでは80GBのハードディスクなどが使用されていることがあります。Cが40GB、Dが40GBという振り分けです。
500GBや1TBなど容量の大きいハードディスクにすることもできますが、法人や事業所では、やや重いアプリケーションや特殊な業務ソフトを使用していることもあります。例えばAdobe、CADなどです。高速化に重点をおくならSSDという方法もあります。
SSDを3.5インチ変換マウンタに取り付け。
HDDを取り外し、SSDとマウンタを取り付け。
HDDの配線をSSDへ。
BIOSで認識を確認。
SSD交換には、リカバリーを行う方法と、現状の環境をそのまま移行するHDD→SSDへのクローン作成の2つの方法があります。
XPから初期のWindows 7(SP1未適用)のディスクでは、リカバリーができないなどイレギュラーなことが起きることもあります。こうした場合はクローン作成を行います。メモリーやSSDなど多少相性なども生じる可能性もありますが、HDDが故障したり高速化を行う場合は、試してみることもできます。
一般的な家庭向けのパソコンに比べると、ESPRIMOは内部にアクセスしやすくメンテナンスやカスタマイズを行いやすいパソコンです。また型番や世代が異なっていても統一性のあるデザインになっています。
当サイトで解説してしているものとして、他に 第3世代のESPRIMOであるD582/F、第4世代のESPRIMO DHシリーズであるWD2/S、第7世代のESPRIMOであるD587/SXがあります。
いずれも、PCケースのサイドパネルの開け方、サイドパネルを開けたときのパーツの場所が類似しています。光学ドライブ下のHDDやSSD、CPUファンとCPUクーラーの分離できる構造、メモリーの場所などはほぼ同じです。これらは、ESPRIMOの伝統的なデザインのひとつであるといえます。