変更・追加分のバックアップ

イメージバックアップは一度行うと、そのバックアップ時点に復元することができます。

ただバックアップから時間が経過すると、Windowsのアップデートやソフトウェアの追加、データの追加や削除などが行われるため、何らかの理由により復元を行う場合は、初回のバックアップではなく、変更が加えられている時点が望ましいということがあります。

そのため、イメージバックアップに変更分や追加分を加えるバックアップを行うことがあります。このバックアップ方法には、増分と差分という方法があります。

増分バックアップ

増分バックアップというのは、初回のバックアップから増えた分をバックアップすることです。

例えば、7/10に初めてイメージバックアップを行ったとします。このような初回のバックアップを、フルバックアップともいいます。この時点で、WindowsやCドライブは、バックアップができています。

増分

次に7/20までに、パソコンでソフトウェアをインストールしたり データが増えたとします。例えばここで、増分バックアップを行うと、インストールしたソフトや増えたデータなどが反映されてバックアップされます。

次に7/30に、Windowsがアップデートされたり、データが増えたとします。ここで増分バックアップを行うと、7/20からさらに変更された分が反映されてバックアップされます。

7/30の時点では、フルバックアップのファイルに加えて、2つファイルが追加されていることになります。

増分バックアップというのは、初回のバックアップイメージを上書きするというものではなく、変更点や追加分だけをバックアップします。そのため、フルバックアップに比べると容量は小さく バックアップにかかる時間も短いといえます。

差分バックアップ

差分バックアップというのは、初回のバックアップとの差をバックアップすることです。

差分

増分バックアップのように、ある時点からある時点のように積み重なっていくようなものではなく、バックアップの度に初回のバックアップからの変更分をとることになります。

増分バックアップと比較すると、日数が経過するほどファイルが大きくなるため、バックアップにかかる時間が長くなる傾向があります。

ディスク上

増分バックアップは 前回からのバックアップ、差分バックアップは 初回からのバックアップを行うため、同じ回数のバックアップを行った場合、差分バックアップの方がディスク上のサイズが大きくなるのが一般的です。

ディスク上

差分バックアップは、手動で行うにしろ スケジュール設定で行うにせよ、回数が増えるほど容量が大きくなる傾向があります。そのため、ディスクの容量が十分にある場合に行う、バックアップの回数をやや少なくするなどバランスをとるなどが考えられます。

差分のメリットは、復元における安定性があげられます。

復元

例えば、7/30の状態にパソコンを戻そうと思ったら、増分バックアップでは、初回バックアップのファイルも含めて全部で3つのファイルが必要です。それに対して、差分バックアップは、2つのファイルで復元を行います。

また、初回バックアップ以降のバックアップ回数が仮に10に増えたとして、10の時点 つまり直近の状態に戻す場合、増分バックアップでは 初回バックアップ+10個のファイルが必要です。一方、差分バックアップでは 10回行なって 10個のファイルがあっても、初回バックアップと10の時点の差分バックアップの2つのファイルがあれば復元できることになります。

つまり、10のファイルを使う復元と2つのファイルを使う復元になります。

一般的に、数が少ないファイルを用いた復元の方が安定性があり 整合性を保ちやすくなります。例えば、増分バックアップの10のファイルのうち、途中の5番目のファイルが破損しているような場合、復元で何らかの問題が生じる可能性があります。

イメージバックアップのソフトウェアで実際に復元を行う場合は、基本的に増分や差分のひとつのファイルを指定します。増分であればそのファイルから遡って必要なファイルと初回のバックアップが自動的に選択されます。差分であればその差分ファイルと初回のバックアップが選択されます。

一部のソフトウェアでは、概ね増分か差分のファイルをひとつ選べば復元が始まるようになっています。近年のソフトウェアでは、ファイルの更新日時を見なくても ソフトウェア上で日時を指定できるものもあります。

実際の復元のプロセスというのは、ソフトウェア上ではよく分からないのですが、増分と差分ではやや異なるということになります。