クラウドにバックアップする

オンラインストレージとは、インターネット上でデータが保管できるディスクスペースのことです。

自分でハードディスクなどの媒体を用意しなくても、インターネット環境があればバックアップなどを行うことができます。

オンラインストレージ

雲のように 離れたところにあるので クラウド、クラウドサービスともいいます。

オンラインストージのサーバー、つまりハードディスクにデータをコピーして保存します。USBメモリーやハードディスクのように手元に媒体がなく、遠くはなれたクラウド上にあるということになります。

オンラインストレージは、インターネット上のサービスとなるため、ログインして使用します。それぞれのサービスでIDとパスワードなど アカウントの登録が必要となります。

エクスプローラーエクスプローラー、Microsoft OneDrive。


他に、iCloud、Dropbox、Googleドライブ、Amazon Driveなどがあります。

同期

同期とは、パソコンのファイルに変更が加えられれば、オンラインストレージのファイルにも自動的に変更が加わる機能です。

例えば、Excelで家計簿を作成しているとします。

毎日入力している場合、ファイルには変更が加えられることになります。通常のバックアップでは、更新の度にバックアップを外部の媒体に取ることになり手間がかかります。

オンラインストレージの同期機能を使えば、パソコン上で更新を行ったファイルは、オンラインストレージでも自動的にファイルが更新されます。

同期機能のあるオンラインストレージを利用すれば、パソコンとオンラインストレージのデータを同期させることができます。

マルチデバイス

パソコンを複数台保有していたり、離れた場所のパソコンでデータを共有する際にもオンラインストレージが使われることがあります。

個人のパソコンで、利用する頻度が高いデータをオンラインストレージにおいておき、異なるパソコンやモバイル端末など マルチデバイスでアクセスするということができます。また、会社の拠点と拠点で同じデータを使う際にアクセスして利用するということもあります。

設定によっては、バックアップと共有機能を併せ持たせることもできるということになります。

ただこのような機能の有無や内容については、それぞれのオンラインストレージのサービスによって異なります。

可用性

パソコンとバックアップしているデバイスが近いところにある場合、災害などにより両方消失するというリスクがあります。

また、USBメモリーのように持ち運びで使うという場合は、盗難や紛失の可能性があります。外付けハードディスクのように衝撃等によるダメージも考えられます。

オンラインストレージに関しては、このような地理的リスク、盗難や紛失のリスク、衝撃などによる故障のリスクに対して、回避できることがあるといえます。

オンラインストレージのサーバーは、運営しているところにもよりますが、一般的に災害などに対してある程度の耐性、データの保全を考慮した設備など可用性を備えています。

セキュリティ

USBメモリーや外付けHDDと違って手元にあるストレージではないので、インターネット環境は必要となります。

セキュリティに関しては、万が一のことを考えると、機密性が高いデータはオンラインストレージではあまり向いていないといえます。

理由は、いくつかのクラウドサービスにある共有という機能です。この機能を有効にすると、リンクを発行したり 閲覧できるユーザーを限定して公開するようなことができます。しかし機能をあまりよく理解せずに、あるいは操作ミスで共有を有効にすると、URLに複雑な乱数でリンクが生成されるとはいえ、不特定多数にデータを閲覧される可能性があります。

つまり、情報の機密性とオンラインストレージに実装されている共有という機能は相反するということです。

例えば、クラウドサービスのいくつかは、インストール後の初期設定でユーザーフォルダのドキュメントやデスクトップなどをデフォルトで同期する設定になっているものがあります。インストール時にこれらの設定を概ね解除できるようになっていますが、仮にドキュメントを同期させた状態でインストールを行い、利用し始めたとすると同期されたファイルやフォルダはサーバーにもコピーされます。

ドキュメントというのは、様々なソフトウェアがデータの格納場所としてフォルダをおくことがあります。例えば年賀状のソフト、メールソフト、会計ソフトなどがあります。

これは自分以外の他者の情報が含まれているもの、機密性の高いものが、前述した人的ミスによる共有のリスクなどに近づくことになります。場合によっては、事業所・企業ではインシデントになる可能性もあります。

このように情報セキュリティの観点から、少なくとも自分以外の他者が関わるような情報、ビジネスにおける顧客情報、経営に関わるような情報は、機密性が十分確保された別の手段を優先的に考慮する必要があるといえます。

逆にいうなら、写真や音楽の保管領域、モバイルデバイスとの連携、友人や家族など限定的な公開、チームでの共同作業などに適しているといえます。実際オンラインストレージのサービスの多くはそのような利用形態を志向しているところがあります。

最終的にオンラインストレージをどのように使うのかというのは、セキュリティや使用目的などを含めて総合的に考えることになります。一般的にパーソナルユースで使うなら写真や音楽などマルチメディア、ビジネスユースで使うなら資料のバックアップや共同作業などになってくると考えられます。

またIDやパスワードが知られたら、ログインされてデータの閲覧などのリスクもあります。

ただログインに関しては、Microsoft、Apple、Dropbox、Googleなど 2段階認証が使えるため、セキュリティは向上しています。