電源が落ちる、ファンの音がうるさい

ノートパソコンもは、内部の埃・汚れにより電源が落ちたり、ファンの音がうるさくなることがあります。

最近の機種では それほど起きることはありませんが パソコンの機種・構造、使用する環境によってはしばしば起きます。

原理はデスクトップパソコンとほぼ同じです。内部の埃・汚れが排熱を妨げ CPUの温度が高くなり電源が落ちます。

デスクトップパソコンに比べると内部のクリーニングは、難易度は高くなります。分解の過程における破損なども起こりやすく、保証がきかなくなることもあります。できれば専門の会社などに頼んだほうがいいでしょう。

このページでは、実際の分解方法というよりも、電源が落ちる、ファンの音がうるさいというノートパソコンがどのようになっているのか?その概要について解説しています。

検証

通常は問題なく使えるパソコンですが、何時間も使っているとファンの音がうるさくなったり、場合によっては電源が落ちることがあります。

ノートパソコン

HWMonitorを使い 通常時の温度を確認すると、CPUはそれほど高温ではありません。特に何も操作をしていない状態では、概ね 35℃~45℃ぐらいになります。

通常時

使用時間が長くなったり、負荷がかかると高温になることがあります。一般的に70℃を超えるとかなり高温になっているといえますが、80℃近く あるいは80℃を超えると概ね電源が落ちるというトラブルが起きます。

負荷時

負荷時に電源が落ちる、一度電源が落ちると しばらく経たないと電源が入らないという場合は、ほとんどがCPUの熱に原因があります。

この電源が落ちるというのは、マザーボードの保護機能によるものです。

分解

外からは判断ができないのですが、ノートパソコンのこの種のトラブルは、CPUファンや排気口に埃や汚れがたまっていることが原因のほとんどを占めています。

排気口

ノートパソコンの一例です。やや難易度の高いパターンになります。分解方法は機種によって異なります。

まずバッテリーを確実に外します。

バッテリーを外す

ネジを外します。

底面ネジ

他のネジも外します。

背面ネジ

カバーをスライドして外します。

カバーを外す

キーボードを固定しているネジを外します。

キーボードのネジ

キーボードをスライドさせます。

キーボードをスライド

キーボードのケーブルに気を付けて、内部が見れるようにします。

ケーブル

CPUファンのあるところは このようにカバーをしていることがあります。左上にCPUファンの一部が見えます。

カバー

カバーを固定しているネジを外します。

カバーのネジ

カバーを外すとCPUファンとヒートシンクが見えます。

カバー下のCPUファン

このような状態で、CPUファンを単体で取り外すことができるノートパソコンは比較的多くなっています。CPUファンとマザーボードをつないでいる小さな電源ケーブルを慎重に外して CPUファンのみ取り出すこともできます。

この機種では、CPUファンを単体では取り出せないため、もう少し先に進める必要があります。ヒートシンクを固定しているネジを外します。赤枠のCPUファンの電源ケーブルも慎重に外します。。

ヒートシンクのネジ

ゆっくり持ち上げて ヒートシンクとCPUファンを取り外します。右下に見えるのがCPUです。

持ち上げる

CPUで発生した熱が、金属製のヒートシンクに伝わり、CPUファンの送り出す風で冷却していることが分かります。

冷却の仕組み

CPUファンを固定しているネジを外します。

CPUファンのネジ

テープなどが付いている場合はそれも外します。

テープを外す

排気口に埃がたまっていることがわかります。

排気口の埃

この埃が排気口を塞いでおり、CPUが高温のままになったり ファンの回転数が上がったりする原因です。

埃

エアダスターやウエットティッシュで埃を除去します。

埃の除去

CPUファンは、慎重に扱います。目立った汚れのみ軽くとります。力を加えると軸がずれて異音の原因になることもあります。

CPUファン

排気口周辺をクリーニングします。

排気口周辺のクリーニング

CPUファンのクリーニングが終わったら元通りにヒートシンクに取り付けます。

CPUグリス

通常 電源が落ちたり、ファンの音がうるさいという場合、CPUファンのクリーニングだけでも十分ですが、ヒートシンクを取り外すとCPUグリスも外れたり、乾燥しているというときは塗り直すこともできます。

CPU上のCPUグリス。CPUからの熱を効率的にヒートシンクに伝えるために塗られています。

CPU上のCPUグリス

ウエットティッシュや綿棒を使い慎重にふき取ります。

CPUグリスのふき取り

CPUグリスを除去した後。

CPUグリスのふき取り後

CPUグリスを準備します。

CPUグリス

ヒートシンクをネジで固定して圧力が加わっても、大きくはみ出さないように 薄く塗ります。

薄く塗る

取り付けるヒートシンク側もきれいにふき取っておきます。

ふき取る

ネジの固定箇所を確認しながら、できるだけずらしたりすることがないように、1回でネジ留めします。基本的に対角留めを行います。

またネジの部分には番号が振っていることもあります。番号順に少しづつ留めていきます。全体がある程度 固定箇所に収まったら しっかりと留めていきます。

対格留め

取り外していた CPUファンの電源ケーブルも取り付けます。

確認

あとは元通りにしていきます。

元に戻す

確認

クリーニング後、どのようになったか確認することができます。

まず通常時の温度です。特に問題ありません。

クリーニング後の通常時

負荷時の温度です。最大でも55度ぐらいに落ち着いています。

クリーニング後の負荷時

この例では、このような作業により電源が落ちる、音がうるさいというトラブルが解消されています。

ノートパソコンにおいても、長年使用していると CPUファンや排気口に埃や汚れがたまり、トラブルが起きることもあります。外部からエアダスターを当てても、たまった埃を取り除かない限りは根本的な解決が難しいことがあります。

ノートパソコンの場合は、メーカーや機種で構造が大きく異なってきます。

CPUファンに比較的アクセスしやすい機種では、底面のカバーを外せば CPUファンが見えるということもあります。CPUファンは、外部から空気を取り入れて排出するため、一般的な傾向として、吸気の部分や排気の部分の近くにあります。

CPUグリスに関しては、臨機応変に対応することになりますが、それほど重要視する必要はありません。